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2] 利便性と空間的物理的条件の検討

ア. 歩行圏におけるカーシェアリングの潜在会員数の検討

車の所有のベースを住宅にあると考え、居住者人口密度高密度な都心部200人/haと新市街地120人/ha程度の場合を想定する。

歩行圏を300mとすると、対象地区面積28.3haで、200人/haで人口5500人約1800世帯と想定できる。120人/haで人口3400人約1100世帯と想定できる。

従って、歩行圏内にカーシェアリングのデポが一ヶ所とすると、1800世帯(or1100世帯)のうち10%が潜在会員とすると8台から15台程度の規模と考えられる。したがって、20台以上の規模となるカーシェアリングの運営ではデポが複数必要と考えられる。(当面10%の車所有者がカーシェアリングに転換するほど普及はしないだろう。)

 

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299人/haで人口5500人約1800世帯 うち利用者は?

120人/haで人口3400人約1100世帯

うち利用者は?カーシェアリングの適切台数は?

普及度10%では8〜15台程度と考えられる

 

イ. 車の共同利用の利用時間の限界

一台の車を共同利用する際の利用時間の限界を検討する。

一台の車の一ヶ月の利用可能時間は

24h×30日=720hすなわち月当たり、合計720時間である。

1) 一人あたり一回3時間、月に6回利用する場合(月に18時間利用となる)

一台の車利用をそれぞれ10、15、20人とすると、全員で一台の車の延べ利用時間/月総計は

10人の場合18h×10=180h/月 従って 180/720=25.0%

15人の場合18h×15=270h/月 従って 270/720=37.5%

20人の場合18h×20=360h/月 従って 360/720=50.0%

従って、一台あたり会員数15人の場合は、実際の車利用時間が日中に限定されるとすると75%の利用率となり、予約の間の時間を考慮すると限界と考えられる。

2) 一人あたり一回3時間、月に10回利用する場合(月に30時間となる)

同様に、

10人の場合30h×10=300h/月従って300/720=41.7%

比較的利用される状況では、実際には多少利用時間の平均値が低くなると思われるが、一台あたり10人弱が限界となると想定できる。

従って、一台あたりの会員数の限界は以下のように設定できる。

月18時間利用の場合(一回平均3時間で月6回利用)、一台あたり最大会員15人程度

月30時間利用の場合(一回平均3時間で月10回利用)、一台あたり最大会員10人程度

 

 

 

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