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4) カーシェアリング成立の4つのレベル

カーシェアリングは以下の4つのレベルで考えることができる。

1] 需要レベル…個人一人ひとりの個別の選択の集積で、成立する。

2] 社会的レベル…新しい車の利用システムとして、社会に認められ成立する。

3] 運営レベル…一定条件下で採算性等運営的にも成立する

4] システムレベル…広域連携、レンタカーとの連携、公共交通との連携とサービスの拡大。

 

(1) 需要(ニーズ)レベル…経済的、利便性等

一人ひとりに選択されるうるのか

まず、利用者の立場から十分魅力的なシステムで、実際に利用されることが最初の条件としてある。

○システムが成立すること

カーシェアリングが出発時に成立するためには以下の2つの方向性がある。

・カーシェアリングに魅力を感じて、最低限の会員数が集まること

車を所有していない人や2台目あるいは、経済性から車所有をやめて利用する人々がいる。

・不動産開発等の際に商品としてシステムを成立させてしまうこと

利用価値が十分魅力的であること、導入することがイメージアップになること

○適切なサービスレベルであること

会員が継続的に利用できることが必要で、そのための条件を見いだしていく。

・利用しやすい料金であること

保証金、年会費、時間と走行距離に応じた料金課金等(車所有コストとの関係)

・利用の確実性(ピーク時の手当ての考え方が利用料金と大きく関わる。)

事業性との関係で十分な台数を確保(一台当たり会員数)

・利便性

車までの歩行距離/用途にあう車種/鍵の授受・予約法/精算等簡便さ

 

(2) 社会的レベル…環境(地球環境、都市環境等)への効果、商品価値

社会として、企業としてどのような効果が期待できるか

社会としてカーシェアリングの効果を認め普及を促進するためには、以下のような社会的効果が示される必要がある。特に今回の研究会では、公的な立場から社会的な効果を検証していきたい。

・地球環境・交通量の減少…自動車利用の総量の減少が期待される。

・都市空間・土地利用…車の総数減少による都市空間占有面積の減少。

・個人消費…利用価値と別の支出が他の消費に回る期待がある。

・商品価値…供給側にも魅力的で採用しやすいこと。

 

 

 

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