●研究会における自動車共同利用システム(カーシェアリング)の検討の概要・整理
本研究会では、昨年度の「エコ交通に関する調査研究」において、今後比較的容易に実施することが可能で環境負荷軽減が期待できる環境にやさしい交通、エコ交通の狙いとして、「新しい車の利用法」と、「車からの転換を促進する代替交通」に焦点をあててきた。その中で、日本では普及していないが効果が最も期待できるものとして、自動車の共同利用、その中でもカーシェアリングに注目してきた。
平成12年度では、カーシェアリングの普及と事業家を目指して、平成13年度のモデル実験を行うために分科会で実施計画をつめていくと同時に、研究会では今後の普及を目指してカーシェアリングに関わる現状の課題、事業化のための諸検討等を行ってきた。
カーシェアリングの普及を目指して
新しい概念のため自動車の共同利用、及び、カーシェアリングの定義は定着していない。
昨年度のエコ交通の調査においては、自動車の「時間的な共同利用」の中でも、類似する2つのカテゴリーを概ね以下のように整理して議論を行ってきた。
1] 車を持たずとも会員として、あるいは共有して、必要なときに自分の車のように使うことができる仕組みであるカーシェアリング。特定集団の所有に根ざした共同利用。
2] タクシーとバスの中間的なサービスの「個人利用の公共交通」として、都市の特定の場所にある車を利用する公共レンタカー(シティーカー)あるいはパブリックカー。
自動車の共同利用の中でも、この数年日本では特に電気自動車を使った公共レンタカー(シティーカー)の実験は盛んに進められているが、本研究では、社会的関心度は高いものの、そのためのてだてが講じられていない「カーシェアリング」の普及を目差した研究を進める。自家用車所有者が転換する可能性があり、社会的影響力が大きく、環境への効果が期待できる。
カーシェアリング普及に関わる諸検討
諸制度関連 自動車の共同利用であるカーシェアリングに対応する制度がなく、普及をはかるためには運営方法等、軋轢が様々な部分で生じる。
事業性 カーシェアリングが個人にとって経済的か、また、事業として成立するか、それらの可能性を検討する。
社会的効果 都市空間占有の削減、及び、カーシェアリング普及の総合的な結果としての自動車走行量の減少について検討する。
普及への諸方策 制度整備、減免措置、関連施設整備当の様々な社会的支援、あるいは、不動産開発に付随するカーシェアリング普及の可能性等を検討する。
カーシェアリングの運営形態のタイプ
日本におけるカーシェアリングの運営形態として以下のタイプがあると想定した。