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資料

 

資料1. 日本デザイン学会「一般案内用図記号デザイン検討委員会」提言合意事項

 

1. 標準化する図記号は本当に必要な対象に限り行い、その数は少ない方が良い。従って、項目を選定する段階での審議の公開性と必要の度合いの判定の手段をもつべきである。

2. 図記号のデザインの自由度について段階方式(ABC)を取り入れるのには賛成である。Aの数は出来るだけ少なくすることを検討したい。

3. 表現要素・図材の扱いは総じて美的には不備なものが多い。“美しい”ことは普及の肝要である。また“優しさ”もさらに肝心である。一本の線の造形への配慮、人型の表現に於ける視認性と美しさと優しさの融合された造形の究極の追求。

4. 図記号のデザイン見直しに不可侵領域を設けず、検討する。例えば、車椅子の表現はあまりに硬く冷たい。使い手(障害者・高齢者)も介護者(一般人・傍観者も含め)も共に、付けてあれば良い或いは義務的表示だから変えてはいけないという視点を一旦離れて、これが一番良いか(勿論社会的な投資蓄積効果を勘案して)という原点で見直したい。

5. “おそろい”…の図記号がやはり必要である。今回、白地・黒描図のデータが算出された。面積比率を含め、造形性・印象そのものの最終的なおそろいデザインが必要である。

6. 使われ方を採用と決定の事前に確認する必要がある。空間に設置する場合とその環境条件、パンフレットなどに用いられる場合の縮小状態、露出頻度の程度等々。

7. 進化の激しい形状が変わり易い物品(例えば機器類など)を図材に用いる場合、進化と共に変更可能な規定にする必要がある。

8. 緊急性の表現については、分類はあるが現段階までの資料では明確な論拠が示されていない。意味内容と使用場所の明確な規定がまず必要である。特定の形を規定するのも一つの方法である−例えば緊急目的だけを赤枠表示とするなど−。また広域避難場所はやはり限られた地域の原案なので他地域での充分な比較審議が必要である。

9. 理解度試験は不可欠である。現在の混乱は理解度を事前に確かめない造り手側の努力不足に起因することが多い。適切な試験法の確立が必要だが、理解度試験・視認性試験結果の善し悪しだけで採否を決めるのはいけない。上記7項目も判定の根拠である。

今後の試験・評価分析には大学としても参加協力したい。

10. 禁止・注意・指示については、国際規格と50年に亘る社会的投資効果・教育義務効果を尊重すれば赤い丸に斜線・三角形と黄色・青い丸の3点セットと安全状態の表示の緑色の四角形での4点セットを基本にすることが色彩を含めて多数意見となる。

報告書には枠を取る反対意見も含まれているが合意されなかった。

この様な情況の中で枠を付けた図記号でもISO/IECの規定を良い幅で解釈しても改良すべき具体策(図材を大きく扱い見易くするデザイン的解決策)を指摘できる。

11. 8分類については、意味内容分類と使用場所分類が混在し不明瞭であり、意味内容を縦項目に、使用分野を横項目とした一覧表とすることを提言する。これによりABCの所在も明確に見えてきて分かり易い規格の概念が明示されるであろう。 以上

 

 

 

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