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3.8 回答の分析

[2.4 評価点の算出方法]により評価点を求め、一般回答者の団体別及び年代別グラフを作成して傾向の分析を行った。<付表1.一般回答者の団体別回答一覧><付表2.一般回答者の年代別回答一覧>その結果、男女比率、年齢比率がほぼ同数で構成された一般回答者の4団体については、視認性調査においてウェブ団体が他より低い値を示したが、その他は団体別、年代別とも際だった差異はなかった。従って理解度は4団体の平均値、視認性はウェブ団体を除く3団体の平均値を評価の対象とした。<付表3.一般回答者の回答平均値>

 

3.9 高齢者、障害者、外国人学生等の評価について

上記の評価対象値と各団体を比較したところ、以下の差異が明らかになった。

<付表4.一般回答者と高齢者、障害者、外国人学生等との比較>

1) 理解度調査に見られた特徴

a. 高齢者、障害者(知的障害者を除く)団体では、多少のバラツキはあるものの、全体の傾向は一般回答者と一致した。

b. 知的障害団体では、全般的に具象的な概念に対する理解度は高かったものの、抽象的な概念に対する理解度は低かった。

c. 障害者各団体では、母数が少ないため回答のバラツキと各々の障害との関係が発見できなかった。また、ある個人の回答に集計結果が左右される傾向が見られた。

d. 外国人学生等は全体的に一般回答者よりも高い理解度を示した。特に、交通関係にその特徴が見受けられた。

(例:案内所、ホテル/宿泊施設、カート、入口、出口、出発、到着)

ただし、日本と文化背景が異なると思われるものの理解度は低かった。

(例:コインロッカー、更衣室、手荷物託配、温泉、3列並び)

2) 視認性調査に見られた特徴

a. 高齢者、障害者(知的障害者を除く)団体では、多少のバラツキはあるものの、全体の傾向は一般回答者と一致した。また、ある障害に特有の傾向は見受けられなかった。

b. 視覚障害者(弱視者)は無回答が多く、適切なデータとして判断するには無理があった。

c. 知的障害団体では、全般的に高い評価を得た。

d. 外国人学生等は一般回答者とほぼ同等か、少し高めの評価を得た。

以上、高齢者、障害者、外国人学生等から得た特性をそのまま評価結果に反映することはできなかったが、具象的な図材はより分かりやすく表現するなど、図形補正の際の手がかりとして利用した。

 

 

 

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