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IV-5-1-5. 聴覚障害者の接遇・介助の基本的配慮事項

1] 話そうとする気持ちを持つこと

耳の不自由な人といっても、全く聞こえない人、聞こえにくい人など、さまざまである。耳の不自由な人の中には、自分のことばが耳で確認できないので、ことばが不自由な人もいる。耳の不自由な人、ことばの不自由な人とは、話そうとする気持ちさえあれば通じあえる。まず、こちらから心を開いて話しかけることが大切である。

2] コミュニケーションの方法

耳の不自由な人との会話には口話(読話)、手話、指文字、筆談などの方法がある。口話(読和)は、自分からは話し、相手の口の動きを読み取ることで伝えあう方法である。簡単なことは、口の動きが分かるように正面からはっきり話す。しかし、口話(読話)には、限界がある。手話は、耳の不自由な人たちの間で自然に生まれ、発展してきたものである。指文字(次項)も手話と併せて使われている。筆談は、手のひらや紙に文字を書いて伝えあう方法であり、最も確実にコミュニケーションがとれる手段である。耳の不自由な人に話しかけられた場合、気軽に筆談に応じることが大切である。

3] 誘導するときのポイント

交通ターミナルや船舶内の案内放送などが聞こえないので、その時々に必要な行動や判断ができない場合がある。あなたから放送内容を伝えて下さい。それによって、耳の不自由な人は、随分助かります。耳の不自由な人も積極的に人との交流を望んでいるが、今、何を話しているのか分からないため消極的になりがちである。話の内容を手話や筆談で伝えることが大切である。

 

 

 

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