たいていの社会の課題は障害者に何らかの影響を与えている。しかしながら、これらの課題のすべてをこの法案の中で扱っているわけではない。ここで政府が示している提案は、スウェーデンにおける障害者政策の骨格を創りあげようとしているものである。
同時に法案では、今後の研究や調査、基礎作業による解決策が必要な一連の課題についても示している。こうした背景から政府は、今後さまざまな領域でのさらに詳細な提案を行っていくことになっており、今年中(2000年)にその内容が決定される領域もいくつかある。
●国家の目標
政府は、障害者の完全参加、尊厳をもった扱いを受けること、そして彼らの生活に影響を与える事項については自らが決定する機会を得ることを確実にするために、政治的な決定による取り組みが必要であると考えている。
政府はこうした取り組みは以下に示した国家目標を追求することであるとしている:
・多様性に基づいた社会コミュニティ
・社会の構築は、いかなる世代の障害者であろうともコミュニティ生活への完全参加を認める方法で行われること
・障害をもつ少年・少女、男性・女性にとっての平等な生活環境
障害者政策のもとでの活動は以下の点に特に注意を払う必要がある:
・障害を持つ人の社会への完全参加を実現するための、障壁の明確化および除去
・差別の防止とそれに対する闘い
・障害を持つ子供、若者、そして成人が自立した生活を送り、彼らの生活に影響を与えるものについては自ら意思決定できることを可能にすること
以下の領域については、近い将来優先的に取り組むことになる:
・障害者政策についての将来的な展望が社会の隅々まで周知されること
・アクセシブルな社会を創出すること
・障害を持つ人への対応を改善すること
●社会のすべての領域における障害者政策の展望
それぞれの公共機関は、管轄するそれぞれの領域において、国連の標準規則および障害者政策の国家目標を順守しなければならない。
障害者政策の将来展望は、障害を持つ人の完全参加と平等を保障するために、公共機関の通常業務において、当然かつ十分に統合されたものとして扱われなければならない。
障害を持つ人に対するいかなる差別も一掃されるべきである。
政府機関は、所有する建物、活動および情報の提供において障害を持つ人に対してアクセシブルにすることに責任を負う。