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資料-3 イギリスの交通10ヶ年計画の概要(訳)

(DETR Transport 2010 The 10 Year Plan)

 

●はじめに

わが国はより優れた交通を必要としている。それは、混雑の少ない道路、近代的で適切な運賃で信頼性の高い公共交通である。われわれの交通システムとサービスは、数十年におよぶ投資低迷の困難な状況に置かれてきた。その結果、公共交通の大混雑、過密、遅延、大気汚染さらに移動するための選択肢が無くなるという状況をもたらしてきた。われわれの誰もが認識している問題は、まさに英国の経済的な成功によって助長されてきたものである。

この状況を転換させることができる早くて簡単な解決方法は存在しない。解決のためには、道路、鉄道、バスサービスに対する投資を過去にないほど実現することである。そのビジョンとは、異なる種類の交通機関を容易に乗り継ぎ可能にすることによって、より早くより快適に旅行することである。われわれはより安全に交通を行えること、環境に対する交通のインパクトを減らすことを決意した。

Transport2010計画は、より早く、より安全に、より正確にそして環境にやさいしい交通を実現するための長期計画である。これは単なる願望に映るかもしれないが、今後10年に何ができるかを現実的に見極めた計画である。

『交通統合白書』(Integrated Transport White Paper)以来、Transport2010は基盤を作っている。白書では交通ネットワークの近代化のために民間セクターと地方公共団体のパートナーシップが強調されている。

ここに示した計画は一夜でできるものではない。しかしこの戦略的計画をすすめるための道案内に従って、われわれは来る10年を交通システムを変えていくというゴールに向かって、毎年進歩を重ねていくことになる。

 

●われわれの交通システムを変えること

われわれのゴールは、今後の10年間で交通システムを変えることである。全ての人にとって、移動をより安全に、より魅力的に、よりアクセシブルにして行くために、混雑や大気汚染の問題に取り組むこと、選択肢を増やすこと、水準を上げることが重要である。よい交通機関は、よりよい環境と、われわれのQOLにとって欠く事のできないものである。

 

●投資

この計画では、1,800億ポンドもの莫大な予算が交通に対して組まれている。民間セクターと公的セクターの間にもたらされる投下資本額1,210億ポンドというのは、過去10年間の実績と比較すると実に75%増の予算である。

 

 

 

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