両者の効率性とコスト面の課題を積極的に解決し、さらに利用者をスペシャル・トランスポートの利用資格を持った者に限定することなく、これまで公共交通を利用していた高齢者を広く取り込むことも狙いとされた(図5-4-4-1)。

2000年時点では、社会実験から本格運行に入っており、フレックス・ルートは「高齢者のための動くソーシャルクラブ」として定着し、利用者から高い評価を得るに至っている。
ii) EUのサンプラスプロジェクト
フレックス・ルートは、ほかに欧州4カ国(ベルギー、フィンランド、イタリア)で取り組まれている。デマンド型交通(Demand Responsive Transport:DRT)の有効性を実証するために行われている社会実験を伴うプロジェクトであるSAMPLUS (サンプラス)の一環であり、研究・開発を進めるものである。SAMPLUSは、欧州研究プロジェクトの一つであるSAMPO (サンポ:Systems for Advanced Management of Public Transport Operations)の一部として取り組まれている。また、デモンストレーションを伴わないプロジェクト(フィージビリティスタディのみ)は、イギリス、アイルランドでも行われている。