4-2 デンマークの交通のアクセシビリティに関する政策
(1) デンマークの政策概要
この節ではデンマークの交通のアクセシビリティに関する政策について述べた。
デンマークでは、現在のところ交通のアクセシビリティについての総合的な法体系は整備されていない。しかし、移動制約者のために、公共交通を含む全ての公共施設をアクセシブル化するための取り組みが政治的にも重要な課題として位置づけられ、1999年から省庁間の連携によるアクセシビリティの課題に取り組むための委員会が設置されている。
また、デンマークの障害者政策の基本原理として、社会における平等を確実に実現するための、障害者の社会への統合(integration)が法律の理念として挙げることができるが、それは特別な法律等によらず、一般的な方法(または法により)により、障害者の要求を守ろうとするものである。(2)では、こうした政策の考え方を中心に述べた。
(2) デンマーク運輸省
1] 組織の概要
デンマーク運輸省の職員数は170名で、組織の構成は図4-2-2-1の通りである。