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接遇介助講習会の開催

高齢者・障害者が安全に・円滑に・快適に交通機関を利用できるように。

 

去る7月17日、18日、東京都障害者福祉会館において、交通事業者を対象に障害者の移動における対応の問題点を把握するために講習会を開催いたしました。これは高齢者・障害者が安全かつ円滑に、快適に交通機関を利用できるようにするためには、エレベーター、エスカレーター等のハード面の整備はもちろんのこと、ソフト面の人的対応も重要な問題であることから、交通事業者が障害を持つ人や高齢者をどのように理解し、介助したら良いのか、わかりやすく具体的に説明した交通事業者向けのマニュアル(センシティビティプログラム)の開発を行うため、開催したものです。

 

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当日は、障害理論について、東京都立大学大学院工学部助教授の秋山氏、神奈川リハビリテーション病院の藤井氏、そして利用者の立場から肢体障害者の問題点を東京ハンディキャブの阿部氏に、視覚障害者の問題点を日本盲人会連合会長の笹川氏、聴覚障害者の問題点を全日本聾唖連盟の河合氏が、実際に公共交通機関を利用する場合の困難さ、問題点を交通事業者に講義し、障害の疑似体験と介護体験の実習の後、交通事業者との意見交換を行いました。当財団はこの講習会の意見を踏まえて、来年2月頃までにマニュアルとして作成する予定です。

 

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交通事業者の主な意見

○「車いすの階段での担ぎ上げについて前向きか、後ろ向きかどちらがいいのか、本人に確認。持ち上げるときは、荷物のようでいやだという指摘があるので「せ一の」とか「いち、に、さん」ではなく「いち、に、はい」というかけ声にしている。かけ声はタイミングを合わせるため、腰痛事故防止上必要。

○視覚障害者の誘導時の説明が難しい。ホームに列車が入るときに恐怖を覚える。自分が階段や段差などに納得しないとなかなか足を踏み出せない。普段は色々なところから情報を得て歩いていることに気づいた。点字ブロックは有り難い。

○耳の不自由な方は見分けにくい。バスの案内はマイクで行うよう指導しているが、聴覚障害者の方については見直す必要がある。講師の河合氏より、「聴覚障害者は成育歴、教育歴、それから生活環境によりコミュニケーション能力が異なっている。生活環境により、お礼も言えない人がいるのはそのためである」「障害者にわかりやすいということは、健常者にもわかりやすい」などの意見が出た。

 

受講者のアンケート結果

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