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駅構内や電車の乗降など

 

1] 切符の購入

視覚障害者か介助者のどちらが切符を購入するかは、意向を確認してから行ないます。介助者が購入する場合でも、財布からのお金の出し入れは障害者自身にしてもらいます。

障害者には、運賃割引制度があるので確認します。とくに窓口で長距離切符などを購入するときは「身体障害者手帳」の提示を求められるので、いっしょに窓口まで行きます。

 

2] 改札を通るとき

ホームまで誘導する場合は、事情を説明して有人改札口を通ります。狭い自動改札を通るときは、介助者が前になり、一列になって通過します(図1-18)。

なお割引運賃を利用する場合は、有人改札口を通るようにします。

 

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図1-18

 

3] 駅構内やホームでの移動

混雑した場所での移動は、人の流れに逆らわないように注意したり、人の流れが切れるのを待ちます。また、周囲から押されたり、白杖を回りの人に引っかけないように、できるだけ間隔をとって歩きます。

 

4] 乗車するとき

電車が止まってから、ドアに対して直角に近づき、ホームの端に立ち止まります。そしてホームと車体までの間隔や、電車の床面の高さを伝えます。このとき視覚障害者は、白杖でホームと電車の間隔・電車の床面の高さを確認し(図1-19)、足を滑らせるようにホームの端に到達したのを確かめ、車内に誘導します(図1-20、図1-21)。

また、視覚障害者の足元に注意を払い、介助者が声をかけながら、視覚障害者と同時に乗車します(図1-22)。

乗車したら、発車時の勢いで転倒しないように、介助者か視覚障害者のどちらかが、手すりか吊り革をつかむようにします。

 

5] 下車するとき

車内放送がなかったり、よく聞こえないときは、現在の位置を知らせるようにします。降車駅が近づいたら、ドアの前に誘導して直角に向いて止まり、ドアの前であることを伝えます(図1-23)。

介助者は、ドアが開いたら視覚障害者の手を戸袋か手すりに導き、車体とホームの間隔や段差、ホームの状況を伝えます。視覚障害者が片足をドアレールにかけたのを確かめて、ホームに誘導します(図1-24、図1-25)。

乗降客が多いときは、視覚障害者の足元に注意し、声をかけながら、同時に降車します。

 

 

 

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