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はじめに

 

本報告書は、競艇公益資金である日本財団の平成11年度、12年度の助成事業として、「交通事業者に対する安全教育プログラムの調査」研究を行い、その成果として「交通バリアフリー介助マニュアル」を作成したものである。

高齢者・障害者等が安全かつ円滑に、快適に交通機関を利用するためには、エレベーター、エスカレーター等のハード面の整備はもちろんのこと、ソフト面の人的な対応で心理的ストレスを感じている現状がある。このことから11年度は、鉄道、バス、タクシーなどの交通事業者の接遇・介助教育の実態を把握し、交通事業者の教育プログラム(センシティビティプログラム)を作成するための基礎調査を行い、教育プログラムの基本事項を取り纏めた。本年度は、この調査で得られた資料をもとに、高齢者、障害者及び交通事業者の方々の意見を踏まえ、交通事業者向けの具体的な接遇・介助マニュアルとして作成したものである。

これまで、わが国において交通機関における接遇・介助のあり方について調査した報告は、皆無に等しく、交通事業者が障害を持つ人や高齢者をどのように理解し、介助したら良いのか、わかりやすく具体的に説明した交通事業者向けの接遇・介助サービスの必要性が高まっていた。

また、昨年、交通バリアフリー法が制定され、交通事業者は、その職員に対し、高齢者、身体障害者等の移動の円滑化を図るための教育訓練を行うよう規定(努力義務)されたことに伴い、ますます本報告書の必要性は高まっている。

本報告書は、国内の交通事業者等の資料のほか、アメリカ、カナダ政府及び非政府組織等の資料も参考にして取り纏めることが出来た。

本報告書が、広く関係者に利用され、高齢者・障害者をはじめとする多くの方々の一層の移動円滑化に寄与できれば幸甚である。

最後に本事業の実施にあたって、この取り纏めの労をおとり頂いた秋山委員長をはじめ、終始熱心にご討議いただいた各委員の皆様、調査にご協力いただいた国内・外の政府、関係機関、交通事業者等に深く感謝を申し上げる次第である。

 

平成13年3月

交通エコロジー・モビリティー財団

会長 大庭浩

 

 

 

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