日本財団 図書館


最も重要な「ホーム縁端に点状の警告ブロックがあること」と、最も基本的な「点状ブロックと線状ブロックが存在すること」については、全ての被験者が既に承知していた。ブロックの敷設形式に関する「ホーム縁端における誘導ブロックと警告ブロックの接合点(T字部)の敷設形状」と「階段口の警告ブロックからホーム縁端の警告ブロックの間を誘導ブロックでつないでいること」は知らない人も多かった。

 

3.3 実験1の結果と考察

最初にデータの取り扱いについて説明する。

1] コースを逸脱した場合、実験条件とは異なる要因によって停止してしまった場合、実験の内容を誤解していた場合については、同条件の再試行を有効データとした。

2] 停止すべき試行において停止しなかった場合については、計画されていた正規の試行の終了後に、同条件の試行を停止するまで繰り返したが、最初の停止しなかった試行のデータを有効データとした。

3] 歩行速度と歩幅を測定する試行(ホーム縁端を知らせるブロックがない条件)については、確実に測定できるまで試行を繰り返したので、同条件における最終測定試行を有効データとした。

4] 停止すべき条件については、歩行開始地点からホーム縁端を知らせるブロックまでの歩行距離が長い場合と短い場合の2回の繰り返し測定を行い、それぞれを有効データとして利用した。その結果、1つの条件あたり、のべ68件のデータを有効データとした。停止不要条件(ホーム縁端を知らせるブロックがない条件)では試行の繰り返しがないので、有効データの数は実際の人数34と同じになる。

 

(1) 停止距離

各条件における停止距離の平均値、中央値、最大値、最小値、標準偏差を表3.3に示す。表を見るにあたり、以下の点に注意されたい。なお、特に記述がない場合、「停止距離」はホーム縁端を知らせるブロックの線路側に相当する側の端部からの距離である。

・ 平均値は、停止した試行を対象とした。そのため、有効試行数が異なる。有効試行数は試行数の欄にx/68(xは有効試行数)という形で記載した。

・ 中央値は無停止試行と80cmを超えて停止した試行を含めた全68試行を対象とした。

・ 最小値、最大値は、停止した試行を対象とし、最大値の欄には無停止試行の回数を参考データとして記載した。

・ 標準偏差と標準誤差は停止した試行を対象とした。

・ 現行ガイドライン6)では、ホーム縁端の警告ブロックの敷設位置はホームの縁端から80cm以上の位置とされていることから、80cm以内に停止した割合を記載した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION