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全ての条件について共通する実験の手順は前述したとおりである。次に、歩行条件4種類と停止不要条件における条件毎の特記事項を示す。

1] 白杖を使用し誘導ブロックを使う条件

(杖あり誘導あり条件:警告ブロック30cm幅)

白杖の使い方は自由とした。なお、使用時の周囲の状況は、白杖を自由に使っても周囲の人にぶつけてしまう心配のない状況とした。誘導ブロックの使い方は自由とした。基本的に、誘導ブロックに足を乗せることを想定したが、被験者から申告があって両足ともに乗せない場合もあった。

2] 白杖を使用し誘導ブロックを使わない条件

(杖あり誘導なし条件:警告ブロック30cm幅)

杖あり誘導なし条件では、進行方向を調整するために実験者がA0判サイズのプラスチック製の板をホーム縁端を知らせるブロックと並行に被験者の背後に立て、その板に被験者の踵と背中が当たるように立ってもらった。進行方向が定まったところで板をはずした。白杖の使い方は自由とした。なお、使用時の周囲の状況は、白杖を自由に使っても周囲の人にぶつけてしまう心配のない状況とした。

3] 白杖を持たず誘導ブロックを使う条件

(杖なし誘導あり条件:警告ブロック30cm幅)

杖なし誘導あり条件では、直進歩行を援助する目的で誘導用の壁を使用した。この壁は、通産省製品評価技術センター平成11年度実験4)で使用されたものと同じものであり、図3.7に示すように長さは約12mである(写真は資料編2-3参照)。この長さは、試行中の歩行距離よりも十分に長く、歩行途中で壁がなくなってしまうことはない。壁の骨格にはアルミ柱を、壁面にはアクリル板を用いている。アクリル板の継ぎ目はガムテープで固定した。壁を使用して歩行する場合の被験者の体と壁の間の距離は、試行ごとに被験者が自然に歩くことができる間合いに調整した。壁の使い方は、原則的にアクリル板の壁面を左手の甲でそっと触れる程度とし、自然な歩行の妨げとならないように注意した。なお、被験者が壁の触れ方による歩きにくさを主張する場合は、歩きやすいと考える方法を申告してもらい、その方法に特に問題がないようであればそれに従った。実際に申告があった場合でも、指先で触れるか手のひらで触れるかという程度であり、極端に異なる方法はなかった。誘導ブロックの使い方は自由とした。基本的に、誘導ブロックに足を乗せることを想定したが、被験者から申告があって両足ともに乗せない場合もあった。

 

 

 

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