3.2.5 実験方法
被験者には、ホームを模擬した実験場を実際の駅ホームと想定してもらい、そのホーム上を徒歩で移動してホーム縁端を知らせるブロックを手がかりにしてホーム縁端に来たと思ったら直ちに停止するようあらかじめ伝えた上で実験を行った。このとき、ホーム縁端を知らせるブロックの敷設条件やそこに至るまでの歩行条件(誘導ブロックの有無・白杖の有無)を数種類設けて、その条件の違いによる検知性や停止距離などを調べた。これを実験1とした。
さらに別の実験として、ホームの内・外方の情報を伝えるための1つの案である異種2列ブロックを敷設した場合(詳細は、3.2.5(6)3]参照)について、白杖や足で確認して方向を識別する課題を設けた。これを実験2とした。
これに合わせて、現行の誘導・警告ブロックに関する周知の程度を調べるための簡単な聞き取り調査(以下、ブロック周知度調査とする。詳細は、3.2.5(7)(g)参照)を行った。
以下で実験方法の詳細を説明する。
(1) 教示方法
実験の教示はあらかじめ作成された教示文章(資料編2-4参照)にもとづき、全ての被験者において同様に行われた。
(2) アイマスク
全盲を条件に募集をしたが、今回の被験者の中には光覚弁(7人)と指数弁(1人)の人が含まれていたので、視覚的手がかりを用いることができないようにアイマスクを着用してもらった。条件に差が生じないように全盲の被験者も同様とした。
(3) 靴
実験時に着用する靴は、鉄道を利用するときによく使用している履きなれたものとした。(被験者が実験当日に履いていた靴の写真を資料編2-5に記載した。)
(4) 白杖
白杖は普段使用しているものを使うように指示した。
(5) 歩き方
試行中の歩き方は、駅ホーム上を移動しているときと同じように歩くことを指示した。なお、歩行の方向は、ホーム縁端およびホーム縁端を知らせるブロックに対して直角の方向とした。