備考1. 従来の30分定格とか1時間定格とかいったような時間定格と反復定格との関係は、起動時における損失や熱時定数の変化を無視すれば、次の関係式で表わされる。
t:短時間定格 e:反復定格(負荷時間率:%ED)
t1:電動機運転時間 Ta:電動機運転時の熱時定数(Hr)
t2:電動機停止時間 Tb:電動機停止時の熱時定数(Hr)
2. 本図は、一般的なクレーン用電動機について、極数別の短時間定格と反復定格のおおよその関係をグラフで例示したものである。なお、負荷のGD2や始動ひん度が非常に大きな場合には、起動時における損失や熱時定数の影響のため、この図で示すよりも多少大きな時間定数が必要になる。
3. %EDはドイツのVDE(Verband Deutche Electrotechniker)規格に規定されているもので、「Einschalt Dauer」の頭文字をとったものであり、IECやヨーロッパで使用されている。日本では、JEM1202-1983(クレーン用電動機)に規定されている。例えば、デッキクレーンなどの電動機定格表示で、「22kW連続/30kW 15%ED」と二重定格で示される場合は、連続一定出力なら22kW、反復高出力なら30kW 15%ED(いわゆる15%の負荷時間率)を保証することを意味する。例えば、この図から、6極の場合、「15%EDはおおよそ30分短時間定格に相当する。」ことを読み取ることができる。
4. 短時間定格の時間の標準値は、5、10、15、30、60、90及び120分であり、反復定格の負荷時間率の標準値は、15、25、40及び60%である。