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(3) 航海用レーダーと磁気コンパスの安全距離の検査

第一回定期検査の検査項目には「磁気コンパスに対し、その航海用レーダーに示されている安全距離が保たれていること。ただし、当該安全距離が保たれていない場合であっても、航海用レーダーを設置したことによって磁気コンパスに与える誤差が、当該レーダーに電源を入れた状態と電源を切った状態にかゝわらず軽微(自動衝突予防援助装置及び自動操舵装置に電源を入れた状態と電源を切った状態とのいずれの状態においても、これらの装置及び航海用レーダーによる誤差が、あわせて0.5度以内を標準とする。)なものであれば、安全距離を保っていることとして差し支えない。」とあって、磁気コンパスに対する安全距離を検査することになっている。

このため、磁気コンパスの自差修正は、レーダーの装備が完了してから実施する必要がある。

 

3・4 船舶安全法によるレーダーの検査

船舶の定期検査や中間検査の際に、船舶設備規程によって設置の義務づけられている船舶のレーダーと自動衝突予防援助設置は、船舶検査官による船上での検査の対象となる。また、これらの船ではレーダーを改造したり、あるいは換装した場合などには、その内容によっては臨時検査の対象となる。

なお、型式承認を受けていない型式のレーダーを設置する場合には、そのレーダーはあらかじめ製造工場等において予備検査を受けて合格しているものでなければならい。

これらの検査についての法令は、船舶安全法の第5条から第25条までと、船舶安全施行規則の第14条から第46条の2までにあり、ここでは省略するが、その概要及び注意すべき事項は次のとおりである。

 

3・4・1 船舶検査の種類

船舶安全法による船舶検査は、次のように大別されている。

(1) 定期検査

船舶を初めて航行の用に供するとき、又は船舶検査証書の有効期間が満了したとき船舶の構造、設備等の全般にわたって行われる精密な検査である。定期検査に合格した船舶に対しては、航行区域(漁船の場合は従業制限)、最大とう載人員、有効期間等を記載した船舶検査証書が官海官庁から交付される。船舶検査証書の有効期間は原則として5年と定められているが、旅客船を除き、平水区域を航行区域とする船舶、又は総トン数20トン未満の船舶であって危険物ばら積船、特殊船及びボイラーを有する船舶以外の船舶については6年と定められている。(法第5条)

 

 

 

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