図の(a)及び(b)に示すケーブルは、電源、制御及び信号用として一般的に使用されるEPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブルである。
ただし、EPゴム絶縁の導体許容温度は85℃であり、許容される周囲温度は、NK規則では75℃なので、75℃を超える場所に布設する場合には耐熱性のあるけい素ゴム絶縁(導体許容温度95℃のもの)を使用する。さらに、耐誘導ノイズ特性が要求される場合には、シールドケーブルを使用する。
逆に寒冷地を航行する船や冷凍庫内に布設する場合には、耐低温特性が優れているクロロプレンシースを用いることが多い。
また、暴露甲板などに布設する場合には、一般に防食層(PVC)付ケーブルが用いられる。なお、ケーブルの導体の断面積の選定にあたっては、全負荷電流が基準周囲温度におけるケーブルの許容電流値以内であり、かつ、電圧降下が規定値以下となるようにすること。(計算式については第3章3・3・4・(c)参照)
図4・13の(c)に示す電話用ケーブル(ツイストペアケーブル)は、誘導ノイズを発生又は受けやすい低レベルの信号回路用として使用され、計装用デジタル及びアナログ信号、音声周波数信号、通信装置、コンピュータの伝送路用などに用いられる。
ケーブル符号の意味
「例」

?:公称電圧:0.6KV→対地電圧、1KV→線間電圧
?:耐延焼性
?:心数:S→単心、D→2心、T→3心、M→多心、TT→電話用
?:絶縁:P→EPゴム絶縁、SR→けい素ゴム絶縁、Y→ビニル絶縁
?:外装:Y:ビニルシース、N→クロロプレンゴムシース、L→鉛被
?:がい装:C→あじろがい装、CB→銅合金線がい装
?:公称断面積(mm2)