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コスパス・サーサット・システムの地上施設は、局地利用者局(LUT)とミッション制御局(MCC)とから構成される。MCCは各国の海上救難センターであって、わが国では海上保安庁がこれにあたる。LUTは、全世界で30局が開局され、わが国では、海上保安庁にMCC及びLUTがあって、GMDSSの運用がなされている。

(2) 極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置の規格

406MHzEPIRBのIMOの性能基準は、決議A.763(18)に「406MHzで動作する浮揚型の衛星非常用位置指示無線標識装置(衛星EPIRB)」がある。

まず、勧告の本文では、1]1994年11月4日又はそれ以後に装備するものは、この決議の付録に規定した性能標準に従うこと、2]1994年11月4日以前に装備するものは121.5MHzのホーミングビーコンを備える必要はないものを除いてこの標準に従うことになっている。この勧告は、次に示すが、その最初に「この衛星非常用位置指示無線標識は、無線通信規則、関連のITU-R勧告と決議A.694(17)(A.569(14)を改訂)に定める一般条件に適合するのに加えて」とあり、改正無線通信規則(RR)の第N41条の第1節の1に「(前略)406-406.1MHz又は1,645.5-1,646.5MHzの周波数帯の衛星EPIRBの信号は、ITU-Rの関係勧告663に適合するものでなければならない。」と規定されている。

また、IMOの決議A.694(17)はGMDSSの船舶無線設備の一般要件の勧告である。また浮揚(float-free)、離脱機構に対して、別にIMO決議「非常用無線装置の浮揚、離脱、作動装置」が用意されている。

GMDSSのためのSOLAS条約の改正条文では、この406MHz帯で運用する極軌道衛星経由の衛星EPIRBの搭載要件は第?章の第7規則から第10規則に規定されている。

決議A.736(18)406MHzで作動する浮揚型の衛星非常用位置指示無線標識装置の性能標準の勧告と決議A.662(16)非常用無線装置の浮揚、離脱と動作開始機構の性能標準の勧告にある要件を、列挙すると次になる。

(a) 衛星非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)は、無線通信規則、関連のITU-R勧告及びIMO総会の決議A.694(17)で規定した一般要件(ここでは省略)に適合すること。

(b) 衛星EPIRBは、極軌道衛星に遭難警報を送信できること。

(c) 衛星EPIRBは、自動で浮揚するものであること。装置の装備及び離脱機構は、(m)項以下に示すように厳しい状態のもとでも信頼できるものであること。

 

 

 

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