(6) DSC装置による遭難警報等の誤発射について
DSC装置による遭難警報等の誤発射については、整備等を実施する場合には誤発射した場合に備えて処置の方法を予め熟知しておくことが肝要である。
1] 遭難警報等の操作
遭難警報等を発射する操作を実行する場合は、誤発射を未然に防ぐ為に警報を発射する装置(警報送出釦)は、少なくとも2つの独立した操作を行うことにより送信される方式となっている。
2] 誤発射した場合
DSC装置等により遭難信号等を誤発射した場合は直ちに発射を停止させ海上保安庁に届けること。
3] 海上保安庁の電話番号等
誤発射に備えて、予め届け出の必要がある海上保安庁の電話番号等を調査しておくこと。
2・2・2 VHFデジタル選択呼出装置
デジタル技術を用いて、VHF無線装置に接続して使用する装置で、無線装置に組込まれている場合もある。船舶局と海岸局及び船舶局と船舶局各々相互の呼出・応答に対応する。
呼出には、遭難呼出、全船呼出、海域呼出、個別呼出、グループ呼出等の種類がある。遭難の場合には、遭難の位置とその時刻(UTC)及び遭難の種類等の情報を含めることになっている。
本装置は上記の呼出信号を受信すると、これらの情報を表示するとともに、印字する。
また、必要に応じて応答信号を送出し、更に遭難呼出等の重要な呼出の場合には特別な警報を発する機能を有している。
同装置の性能は船舶設備規定146条の34の4(及び関連の船舶検査心得)と無線設備規則の第40条の第3項(及び関連の郵政省告示)に規定されている。
主な性能要件については、表2・5 VHFデジタル選択呼出装置、MF及びMF/HFデジタル選択呼出装置に示す。