1] 遭難の種類
遭難の種類には、火災・爆発(100)、浸水(101)、衝突(102)、座礁(103)、転覆の危険のある傾斜(104)、沈没(105)、操船不能と漂流(106)、その他の遭難(107)、船体の放棄(108)、EPIRBの発射(112)がある。
2] 遭難位置の座標
遭難位置の座標(5文字すなわち10桁の数字)は、手動で入力をするが、航法装置からの自動入力も可能である。
(3) 通信形式の情報
通信形式の情報は、遭難位置の座標を通知した後に、通信の形式を遭難局が希望する通信の形式を指定する(電話又はテレプリンタ)、1文字の信号である。
その他の呼出内容の構成を表2・4に示す。
(4) DSC設備のクラス
DSC装置には、GMDSSでその装備を要求されているクラスAと呼ばれる装置の他に、最小限の機能を持ったクラスBとがある。
また、船舶の識別のみを送信して、警報を行うためにVHF帯の設備に付加されるクラスCの3種類がある。
(5) DSCの運用手順
1] 呼出の内容
デジタル選択呼出しによる呼出の内容は、呼出し局の宛先(RRで定められている海上移動業務識別番号)、送信局の自局識別及び呼出の目的を示す情報(通常は呼出後に引き続いて行う通信の優先度、通信のタイプ、通信周波数のいずれかの情報)を含んでいる。
2] DSCの呼出
DSCの呼出は、遭難及び安全関連の呼出や通常の呼出に利用することができる。適切な設備を有する海岸局を通じて公衆通信網に自動接続することもできる。
3] DSC呼出の受信
受信局においてDSC呼出を受信したときは、呼出の内容が表示されるとともに、可視及び可聴の警報で知らされるようになっている。
4] DSC呼出の変調速度
DCS呼出の変調速度は、MF帯及びMF/HF帯が100ボー、VHF帯で1200ボーである。
DSCの呼出は、送信される呼出の種類によって、MF帯及びMF/HFでは6.4〜11.6秒の間で行われ、VHFでは0.45〜0.82秒の間で行われる。