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コイルまたはコンデンサの大きさを可変して電流形指示値を最大にする。さらに可変抵抗Rを変化して電流計Aの指示値がアンテナを接続したときと同じ値にすると、このときの可変抵抗の値がアンテナ放射抵抗となる。また、可変コイルのインダクタンスL又は可変コンデンサの容量CがアンテナのインダクタンスL又は容量Cと等しくなっている。

 

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A:空中戦電流器 R:抵抗 L:コイル C:コンデンサ

図5・30 アンテナ放射抵抗の測定

 

(B) アンテナ利得の測定;

アンテナ放射電力を目的方向に能率よく放射するためアンテナに指向性を持たせる。ある指向性アンテナに一定の電力を供給して電波をある距離に固定した受信アンテナで受信する場合を考える。そのときの受信電力をPTとする。次に指向性アンテナの位置に無指向アンテナを置き同じ電力で電波を放射する。始めと同じ受信機でこの電力を受信した電力をP0としたとき指向性アンテナの利得GAは受信電力比

143-2.gif

となる。GA無指向性アンテナに対する利得なので絶対利得という。基準アンテナをダイポールアンテナとしたときの指向性アンテナの利得を相対利得GRと呼ぶ。絶対利得GAと相対利得GRとの関係はダイアポールアンテナの絶対利得をGdとすると

絶対利得GA=相対利得GR×ダイポールアンテナの絶対利得Gd  (5・52)

となる。

 

 

 

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