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(問3) 室内に装備された導波管内の、暖められた空気が、室外部分の導波管の方へ移動して、この室外の導波管や空中線のペデスタルが、冷たい外気で冷やされると(特に雨等に当たって濡れているところに風が吹き付けると、気化熱が奪われて急速に冷やされる)、導波管内の空気は収縮して負圧となり、もし少しでも透き間があると、そこから雨水を吸い込み、また、内部の湿気が結露して、中に水がたまるようになる。一度内部にたまった水は再び出ていくことはなく、エネルギーを吸収して、そのエネルギーロスが無視できなくなる。

これを防止するため、導波管が室内から室外へ貫通するバルクヘッドフランジ部、及び、空中線部の出口部分とに、それぞれテフロン等のシートを挿入して空気の流通を遮断する。

シートには、0.2〜0.5mm程度の厚さのものを使用する。また、空中線ペスデタルに“ふた”をするときには、パッキング等を挟み込まないように、かつ、これらのパッキングが均等に締まるように十分注意する必要がある。

 

第4章

 

(問1) 故障箇所を発見するには、まず、機能の全体的な面から問題点をとらえ、次に回路系統に区分し、最後に細部に及ぶように系列的に調査する必要がある。故障に至った派生的な、あるいは二次的な原因のみに対処しても、一次的な原因(本当の原因)を取り除くことはできない。

修理工事は、このような手順によって原因を究明してから行なわなければならないが、まず、作業に入る前に手持ちの部品等からその修理の可否を判断し、もし、高価な部品やユニットを交換する場合には、船主や造船所の承認を得る必要がある。

 

(問2)

(1) 二次反射による偽像は、マストやデリック、煙突等が鏡となって電波を反射するために起こる障害である。したがって、これらの偽像は、そのマストや煙突のある方向に現れる。

(2)陰は、空中線の近くにある煙突等がレーダーの放射ビームを遮るために起こる現象で、そのマストや煙突のある方向に現れる。陰の有無を調べるには、海面反射や雨雪反射等の一面の広がりを持った映像を見て、その像に薄い部分か、あるいは見えない部分があるかどうかによって判断する。このような陰は、船が旋回しても常に一定の方向に現れるので判断できる。

(3) 同一の周波数帯を使用する他のレーダーが近くにあると、相互干渉によって映像面に多数の斑点が現れることがある。この斑点はいろいろな現れ方をして、同じ位置に現れることはないので、一般の物標の映像と判断することができる。

 

(問3) 距離レンジ、表示方式の切替え後、1回目【H9.1.1以前に装備のものは4回目】の走査で、ARPA情報が表示されること。また、ベクトルを表示させた状態でレンジスケールを変化させても各ベクトルが消滅せず、かつ、各ベクトルの長さも距離レンジに応じ正しく変化すること。

 

 

 

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