船舶安全法では、航海用レーダーは原則的には型式承認と検定を受けたものが船舶に装備されることになっているが、特別の場合は前記の船舶安全法第6条第3項による製造検査を受けることも認められている。
1・2・7 船舶安全法によるレーダーの検査
船舶の定期検査及び中間検査の際に、船舶設備規程によってレーダー及び自動衝突予防援助装置を備えなければならない船舶のレーダー及び自動衝突予防援助装置は、船上での船舶検査官による検査の対象となる。また、レーダーを改造、あるいは換装した場合などは、その内容によって臨時検査の対象となる。
なお、型式承認を受けていない型式のレーダーを設置する場合には、当該レーダーは、あらかじめ製造工場等において予備検査を受け、合格しているものでなければならない。
これらの検査についての法令は、船舶安全法の第5条から第25条までと、船舶安全法施行規則の第14条から第46条の2までにあり、ここでは省略するが、その概要および注意すべき事項は次のとおりである。
(1) 検査の種類
(a) 定期検査
定期検査は、船舶を日本船舶として初めて航行の用に供するとき又は船舶検査証書の有効期間が満了したとき、(新造船及び外国船舶を購入した場合又は検査の対象船舶に変更された場合を含む。)船舶の構造、設備等の全般にわたって行われる精密な検査である。
定期検査に合格した船舶に対しては、航行区域(漁船の場合は従業制限)、最大とう載人員、有効期間等を記載した船舶検査証書が管海官庁から交付される。船舶検査証書の有効期間は原則として5年と定められているが、旅客船を除き、平水区域を航行区域とする船舶、又は総トン数20トン未満の船舶であって危険物ばら積船、特殊船及びボイラーを有する船舶以外の船舶については6年と定められている。(法第5条)