6・6・1 目標の捕捉と追尾
(1) 現在市販されているすべてのARPAは手動捕捉機能を持っており、その方法はジョイスティックやトラックボール等を使用するものが大半を占めている。
手動による捕捉数は、ほとんどが20目標以上である。(一部は10目標のものもある。)
(2) オプションも含めると大半の機種が自動捕捉機能を持っている。この自動捕捉機能を細かくみると、全自動捕捉(Fully Automatic Acquisition)とガードリング等による半自動捕捉(Semi Automatic Acquisition)の二つに分けられる。
a) 全自動捕捉とは、ガードリング等とは無関係に、捕捉領域内の目標に対して所定の数までの自動捕捉が可能なシステムである。
b) 半自動捕捉とは、設定したガードリングをクロスする目標に対してのみ補足が実行されるシステムである。
(3) 目標の追尾は、すべて自動追尾方式である。
6・6・2 表示
(1) 表示方式
ほとんどの機種が高輝度表示であるが、これも、その方式によって差異がある。現状ではPPI表示方式が大半を占めているが、TVスキャンのカラー表示方式のものもある。いずれもレーダーの画像にベクトル等のARPA情報を表示するものである。
(2) レーダーの映像とARPA情報の表示
a) レーダーの映像の表示は、別体形であっても完全な生映像を表示するシステムと、映像情報に完全な処理をしたビデオを表示するものとがある。
b) ARPA情報の表示は、他船の動向を表す速度ベクトル表示方式のものと、図形による表示方式のものとがある。なお、これにはIMO基準によって、航跡を表示する機能を付加することが義務付けられている。
c) レンジスケールは、いわゆるARPAとしてのレンジスケールのみを備えたものと、近距離から遠距離までの副表示器としての機能を完備したものとがある。
(3) 数値表示
IMOの性能基準により、物標の方位、距離、真針路、真速力、CPA、TCPAの6種類のデータの数値を表示することが義務付けられ、また、方位と距離、真針路と真速力、CPAとTCPAの組合せによる二つ以上の表示が義務づけられている。