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4・8 自動電圧調整器

自動電圧調整器(AVR, Automatic Voltage Regulater)は、船内電源が著しく変動しても常に一定の電圧を保ってレーダーを安定に働かせる。また、船内電源が直流の場合には、レーダーに必要なたくさんの種類の電圧を作りだすため、いったん発振回路で発振させ、それを整流して必要な各部の電圧を作る、いわゆるDC-DCコンバータを備えたAVRが用いられる。その構成を図4・50に示す。

 

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図4・50 AVRの構成図

 

1] フィルタはレーダー装置内で発生する種々の雑音が外部に漏れないようにするためのものである。

2] 定電圧回路は船内電源の電圧変動に対しては一定の電圧を保つためのもので、いろいろな回路があるが、一般にはスイッチング・レギュレータが多く用いられている。

3] スイッチング・レギュレータは広範囲の電圧変動に対してもよく動作し、能率も比較的良い。

4] 発振回路は自励発振で、電源同期型のレーダーでは、この周波数をパルス繰り返し周波数に用いている。

 

4・9 従来のレーダーのブラウン管でのPPI表示方式

在来のレーダーのPPI表示は、掃引線が自船の位置を中心にしてCRTの外周に向かって動いている。すなわち、レーダーパルスの送信とともに電子ビームはCRT面上の自船位置からCRT面の輝度が大きくなるように電子ビームの電子量を制御する。レーダーのPPIの画面が1回分は、例えば、空中線の回転が毎分20回(1回転3秒)でパルスの繰り返し数が毎秒1,000回であれば、PPIの映像面は3,000本の放射状の掃引線で構成される。画面に表示される距離範囲は掃引線の掃引速度によって決まることになる。空中線の一回転に3〜5秒を要するので、その間は映像が残っている必要がある。

 

 

 

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