この例の中間周波増幅器は五段の増幅回路から成っていて、初段から二、三段までは、STC/GAINで利得の制御を行い、二段目と四段目にはIAGC(瞬間自動利得制御:Instantaneous Automatic Gain Control)がある。IAGCは、ある程度以上の強い信号波が入ってくると、ダイオードで整流して前段に負のバイアスをかけて増幅度を落とし、利得を下げるようになっている。これは、強過ぎる反射信号や、他船のレーダーによる妨害波によって中間周波数増幅段で受信機が飽和すると、中間周波増幅器やFTC回路が有効に働かないので、一時的に利得を下げる必要があるためである。