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図4・15 ダイオードリミッター

 

ダイオードリミッターは図4・15に示すような構造で、導波管の1部に同軸回路を設け、リミッターダイオードを装着して短絡させる方式である。

このリミッターダイオードにパルス電力が入るとダイオードの接合容量が変化し、導波管の主線路との結合特性が大きく変化して、入力電力を反射する特性がある。挿入損失が若干大きいという欠点はあるが、寿命は半永久的といえる。ダイオードリミッターは、現在では尖頭電力で約1kWまでしか使用できない。そのため大電力のレーダーでは、ダイオードリミッターの前段に、従来から用いられていたTR管を改良し、バイアスを掛けないでも使用できるTR管を組み合わせたものを用いる。これが*TRダイオードリミッターで、大きな特長は、バイアス(イグナイタ電極)を掛けないので長寿命であり、また、レーダーの電源が断となっている状態でも他の船舶のレーダーから強い電波が入射したときでも、受信部を完全に保護できることである。

*:図4・14中の「TRリミッター+ダイオードリミッター」のことをいう。

 

4・4 空中線と導波管

空中線は、導波管又は給電線に伝わる電力エネルギーを空間に電磁波の形として発射したり、また、受けたりする装置をいう。

送信機のマグネトロンで発振した送信出力は、そのままでは空間を伝搬しにくいので、空中線によって電磁波の形にして空間に発射する。実用面では空中線を回転させるので、導波管も回転させる必要があり、このため、回転部分には円形導波管を使用している。そして、この回転する円形導波管と固定の導波管との変換部分には、ロータリージョイント(図4・16参照)と呼ばれるものを使用している。

アンテナは、そのほとんどが可逆の定理が適用できるので、同一の周波数においては送受信とも同じ能率で使用できる。

 

 

 

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