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3・8・3 PDP(プラズマディスプレイパネル)

プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)の略で、蛍光灯と同じようにガス中での放電を利用した発光素子である。大型平面ディスプレイとして開発され一部実用化されている。CRTに比べまだ高価であり、航海用レーダー表示器としての使用は少ない。

(1) 基本原理及び構造

PDPの発光原理は、基本的には蛍光灯と同じで、ガス中での放電によるガス自体の発光又は放電により発生した紫外線で蛍光体が励起され発光する。単色のPDPではネオンガスが使用されており、ネオンガスの放電により赤橙色で発光する。カラー表示では、R、G、Bの3原色の蛍光体が塗布されており、それらが発光する。蛍光体の発光を利用した表示装置なので視野角が広く、色再現性も良い。

PDPには、図3・21に示すように、電極が放電空間に露出しているDC型と電極が保護膜で絶縁されているAC型がある。どちらの構造でも2枚のガラス板で放電空間を挟んだ構造になっている。放電空間にはヘリウム、キャノンの混合ガスが充填されている。

図3・22にパネルの構造図を示す。縦横のマトリックス状の電極を持つガラス板で混合ガスが充填された放電空間を挟んだ構造になっている。

薄型パネル構造のため、CRTに比べ、奥行きが短く、重量も軽量化されている。

(2) 特徴

PDPは一度放電するとその後も放電し続ける、いわゆるメモリー効果があり、大画面になっても輝度が低下しない特徴がある。

その他の特徴としては、磁気の影響を受けず、色ずれが発生しないことと、フラット画面で画素が構成されており、画面周辺でも歪みが発生しない特徴がある。

 

 

 

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