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P1とP2はGを通り抜けた電子の流れを集束して、管面のところへ細く絞る役目をする。光線を集束するにはレンズを使用するが、この場合の流れ(電子ビームという)を集束するのであるから電子レンズと呼ばれ、その原理は図3・12の(b)に示すように、P1とP2にかける電圧によって、等電位面を凸レンズのような形にして、電子の向きを変える作用をさせている。このように電界の効果を使った電子レンズを用いたものを静電形の集束というが、このほか、磁界の作用で電子ビームを集束する方法もあり、これを電磁形の集束という。

 

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図3・12 ブラウン管の構造

 

この場合は、図3・12の(d)に示すように、第2グリットより先の電子レンズを構成する部分の管の外側に適当な集束コイルを取り付け、このコイルに直流を流して軸方向の磁界を作り、これによって電子流を集束して、ちょうど蛍光面のところで集点を結ばせるようにする。

このように、電子ビームの集束をすると、電子ビームは管面の中心に細いビームとして当たるようになるが、CRTはこの電子ビームを使って管面全体に図形を描かねばならないので、この電子ビームを上下左右に曲げる機能が必要であり、これを偏向という。

 

 

 

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