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この曲がり方は、いわゆるフレミングの左手の法則に従い、人さし指を磁界の方向、中指を電流の方向(電子の動きとは逆)とすると、電子に働く力は親指の方向となる。そして、その曲がり方は加えられている磁界の強さが強いほど大きくなり、電界(陽極に掛かっている電圧)が高いほど小さくなる。

したがって、磁界を強くしていくと、図3・1の(c)に示すように電子が陽極に到達できなくなって陰極に戻るようになる。このように、陽極電圧と磁界とを適当に加え、かつ、陰極と陽極の間に共振回路を接ぐと、陽極に電流が流れたり、流れなくなったりして、マイクロ波の発振作用がおきる。しかし、このような方法は実用上は余り使用をされていない。

マグネトロンの第2の発振の方法は、磁界の掛け方は同じであるが、図3・2に示すように陽極を円周方向に適当に分割して、隣接電極間に共振回路を接続する形式とすることである。実際のマグネトロンは図3・3に示すように、金属ブロックを梅鉢形にくり抜いた形の陽極が使用されている。

 

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図3・2 マグネトロンの回路

 

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図3・3 空胴マグネトロンの構造

 

図では陽極は8分割され、それぞれ両端は開いているけれども、同じ共振周波数をもった空胴共振器が付けられている。これらの空胴共振器は、実質的には、すべてが並列で発振をするのと同じ効果を持つようになる。また、場合によっては一つおきの電極を結ぶ均圧環を付ける。

電子は陰極から全方向に均一に放出されるが、それが磁界によって曲げられながら陽極の近くにくる。陽極の各空胴に共振が生じると、各空胴の入口のところには、共振周波数で振動をする図3・4に点線で示したような高周波電界ができているので、ある電子はそこで加速され、ある電子は逆に減速をされる。

 

 

 

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