2・2 レーダーの最大探知距離
レーダーの最大探知距離とは、ある物標からの反射波を何海里から受信できるかという距離である。レーダーの最大探知距離を考えるには、レーダー電波伝搬方程式を用いて反射波の強さを計算し、この強さがそのレーダーの最小受信感度以下になる距離で決めるのが通常の手法である。
2・2・1 自由空間におけるレーダー電波伝搬方程式
自由空間というのは、図2・1ように、周囲に何もない空間にレーダーと反射物標だけが存在する場合である。この場合のレーダーから出た電波が物標から反射して戻ってくる受信電力を表す式が、自由空間におけるレーダー電波伝搬方程式であって、(2・1)式で表される。