しかし、だんだん緯度が高くなると経度の線は間隔が狭まってきて、北極や南極では1点に集まっている。従って南北方向に60浬移動すると緯度は1度違うのに対し、東西方向に60浬移動すると経度は1度以上違うことになる。
緯度60度附近では南北方向の移動距離と同じ距離東西方向に移動すれば経度変化は約二倍の経度差となり、緯度70度附近になると約三倍の経度差となる。
(1) 平面航法 第7・5図
移動範囲が平面内と考えられる狭い範囲の航海では、次のように計算される。
第7・5図のA点(経度φ1、経度λ1)を出発して針路θで航程D浬の航行の後、B点に達したとすればB点の緯度φ2、経度λ2は、次の式によって計算される。
λ2=λ1+dλ
ただし、dφ:緯度差、dp:東西距、dλ:経度差、θ:針路