電界強度E (dB)の電波を実効高Hのアンテナで受信するようにスイッチを1]にする。受信機の利得G (dB)を調節して出力P (dB)が規定値となるようにする。スイッチを2]に切り替えて比較信号発生器から電界と同じ周波数を発生する。その出力E0 (dB)を減衰器を通して受信機に加えて出力計の読みが同じP (dB)となるように減衰度α (dB)を調整すると電界強度E (dB)は
E+H+G=E0−α+G=P (5・60)
より
E=E0−α−H(dBμ) (5・61)
として測定できる。電界強度(dB)は1μVを基準とした(dBμ)で表示される。ループアンテナの実効高H(dB)は
である。ここでAはループアンテナの面積、Nはループアンテナの巻数、πは円周率、λは波長を表す。
5・5・8 電磁両立性EMCの測定
一般的なEMCの定義、規格および測定法については第4章4・8項で説明してある。
ここでは船舶に関係するEMC規格「IEC945]に関連した測定法について補足説明をする。IEC945は「航海および無線連絡装置と設備-試験方法および所要試験結果」を取り扱う国際EMC規格である。
EMCの測定は
(A) 機器から放射される「好ましくない電磁放射(妨害波)」に関する測定、と
(B) 妨害波に対して「電磁妨害の存在する環境で、機器、装置又はシステムが性能低下せずに動作することができる能力(イミュニティ)」に関する測定、に分けられる。
(A) 妨害波放射に関する測定
図5・35に試験機器から放射される電磁放射レベルの測定系を示す。回転台上に供試機器を乗せて回転しながら3〜10m離れた受信アンテナにより妨害波電界強度を測定する。