SC-C;電力線、高電圧機器及び電気鉄道に関する妨害
SC-D;自動車及び内燃機関に関する妨害
SC-E;無線受信機に関する妨害
SC-F;家庭用機器、工具、照明装置及び類似機器に関する妨害
SC-G;情報技術装置に関する妨害
各分野における機器が発生する「妨害波特性の規格」と「イミュニティ特性の規格」をCISPRで決定した結果により各国が国内規制をしている。
「イミュニテイ」とは医学用語の免疫からとった呼び名で、ある機器が妨害波にどれだけ耐抗できるかの能力を表す量である。最近の電子素子はLSI化されて高集積度で小電力動作をするのでイミュニテイ・(Immunity)が弱くなっている。
船舶のEMCを取り扱うSCはないがモータボートのEMCはSC-Dで審議されている。無線機器、電源、電動機、コンピュータ等船舶に関係ある機器の規格がCISPRで制定されつつある。
(B) 欧州連合(EU)規制:
ヨーロッパの国々が連合して欧州連合規格(EN規格)を制定する動きが始まり、1996年1月からEMC指令と呼ぶEN規格に加盟国が合格することを義務づけることになり、認定された製品にCEマーキングと呼ぶ認定証を添付することになった。
(C) 日本のEMC規制:
わが国のEMCは昭和20年代頃からラジオに送電線のコロナ放電が妨害して対策をとることから始められたといわれている。国内法の電波法や電気用品取締法により規制を行ってきたが、年々EMCが社会的問題として増大し、貿易に国際的な相互認定の問題もあり、政府及び民間の諸団体でEMCを取り扱うようになった。また、製造物責任法(PL法)が施行されてEMCへの社会的関心がますます強くなってきた。
IECに対応する日本工業標準協会調査会(JISC)、CISPRに対応する郵政省電気通信技術審議会のCISPR国内委員会等が国際規格との整合を行う窓口となっている。JISCではIEC1000シリーズの基本及び一般規格を日本標準規格、JIS化する作業が行われている。