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2・3・5 デジタル通信機の構成;デジタル通信系のモデル

(1) デジタル通信系モデル

図2・22はFanoによるデジタル通信系のモデルである。情報源から発生する音声やビデオ等のアナログ情報は情報源符号器でデジタル符号化され、通信路符号化器で無線等の伝送に適した通信用符号に変換されて伝送される。受信機ではこの逆の操作でアナログ信号に戻して受信者に届ける。

 

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図2・22 Fanoによるデジタル通信系のモデル

 

図2・23にパルス符号変調(PCM)の符号化と復号化の系統図を示す。アナログ信号は標本化によりパルス振幅変調(PAM)され、量子化により符号の長さを制限して符号化されて伝送路を通して受信される。受信機内ではこの逆の操作により復号してPAM波を取り出し、低域ろ波器によりアナログの信号成分を取り出す。

 

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図2・23 パルス符号変調(PCM)の通信系

 

(2) 量子化レベルと量子化雑音;

2・3・2項で述べたように連続的なアナログ信号を階段状の量子化信号に変換するためこの差部分(三角部分)の信号が失われるので受信側で量子雑音として妨害になる。このため細かく量子化することが望ましい。逆に量子化を細かくすると、符号が長くなり伝送時間も長くなり、回路も複雑となるので少ない量子化数が望まれる。

人間の耳は量子化雑音に敏感なので音声信号を27=128レベル以上細かく量子化する必要があるが、目は輝度変化に鈍感なのでビデオ信号を23=8レベル程度の量子化でも量子化雑音が妨害とならない。

 

 

 

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