2・5・5 インピーダンス試験
短絡試験ともいい、変圧器の効率計算に必要な負荷損と電圧変動率の算定、並行運転に必要なインピーダンスの値を求めるのが目的である。負荷損は抵抗損、漏れ磁束によるうず電流損、漏れ磁束による鉄損よりなる。
(1) 試験方法
変圧器の一方の巻線を短絡し、他方の巻線に定格電流を流すにたる定格周波数の電圧を加え、図2.49の各計器で測定する。この時の電圧がインピーダンス電圧、入力をインピーダンスワットという。この時の力率は一般に低いので普通の電力計では誤差が伴いやすく、なるべく低力率電力計を使うほうがよい。
なお注意事項として次に示す。
(a) 巻線温度が上昇しないよう、速やかに測定する。
(b) いずれの端子で測定してもよいが、低圧側の接続電線の電圧降下に注意する。
(c) 測定時の巻線温度を測定しておく。
(d) タップがあるものは、全タップを測定する。
一般に船用変圧器のインピーダンス電圧は5%以下である。