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しかし、これらの溶接による接合部の検査法に簡易なものがないこと、もし、この部分に欠陥があったときの災害が、極めて重大なものとなることが多いため、その安全性の確保については、溶接工の技倆の優秀さに期待せざるを得ない。このため溶接する材料の板や管の厚さと溶接する姿勢に応じ、技倆の種別を定め、これに応じて試験を行い、合格者でなければ従事できないよう工事を制限されることとなっている。また、合格者には証明書を与えることとしている。

この試験は、所轄海運局がJISの方法により執行する。日本海事協会でも、同じような試験を行い、証明書を交付しているが、その合格者は、所轄海運局長の試験に合格したものとみなされる。

 

3・11・5 準備検査(施行規則第65条の3)

準備検査は、船舶安全法第2条第1項の適用を受けていない船舶(本邦の海岸から12海里以内の水域のみにおいて従業する小型漁船、平水区域又は沿海区域のみを航行する推進機関を有しない長さ12メートル未満のヨット等)又は検査申請時点において適用を受けるかどうか明確でない船舶の安全性の向上を図るとともに、当該船舶が用途変更その他の事由により検査対象となった場合に、当該船舶又は当該船舶に備え付けようとする物件に係る定期検査又は予備検査の合理的な実施のため、製造者又は所有者の任意の申請に基づいて行う新しい検査の制度である。

この制度の内容を要約すると次のとおりである。

(1) 準備検査の対象

船舶安全法第2条第1項の規定の適用を受けることが定まっていない船舶又は船舶に備え付けようとする予備検査の対象物件

(2) 準備検査の申請者船舶又は物件の製造者(改造又は修理を行う者を含む。)又は所有者

(3) 準備検査の内容定期検査又は予備検査に準ずる検査

(4) 検査執行機関

総トン数20トン以上の船舶又はこれらの船舶に備え付けようとする物件については管海官庁、総トン数20トン未満の船舶又はこれらの船舶に備え付けようとする物件については日本小型船舶検査機構

 

 

 

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