(ii) スターデルタ始動
始動電流、始動トルクがいずれも全電圧始動の1/3になる。
始動回路は図2.17に示されたとおりであり最初コンタクターAを接にすると次いでコンタクターBが接になり電動機はスター結線で始動し電動機がスター結線における全速度に達するとコンタクターBが断となり次いでコンタクターCが接となって電動機はデルタ結線となり始動を完了する。
なお、以下に説明するリアクター始動方式及びコンドルファー始動方式の場合も同じであるが最初のコンタクターの投入が手動で電磁投入される外は総てのコンタクターはタイマーを使用することによって自動で接、断の動作を行うようにするのが一般的である。
スターデルタ始動は、スターからデルタに切替える時に電動機の電源電圧が途切れるので、突入電流が発生する。
この突入電流が最大となるのはスターからデルタに切替えた際、電動機の固定子巻線に残存している電圧と電源電圧の位相差が180となり固定子巻線の残存電圧と電源電圧が重畳されて電動機に加わった場合である。
従って、スターデルタ始動の場合はスターからデルタに切替える際タイマーにより固定子巻線の残存電圧が消滅するのを待って全電圧に切替え突入電流が過大となることを避ける方法が一般的にとられている。
スターで始動した場合の始動電流及び始動トルクがデルタで始動した場合の1/3となる理由は次のとおりである。
図2.18はスター結線の電動機を示し図2.19はデルタ結線の電動機を示す。