(3) 漁海況模写電送
JFC (神奈川漁業無線局)のコールサインで全国漁業無線協会により近海の海況、海洋速報、沿近海漁場海況、市場情報などを放送している。
(4) 通信用ファックス
短波帯の無線回線を使用したファックスと海事衛星回線を使用したファックスがあり、前者は漁船の船間通信、後者は遠洋漁船・国際航海の商船において陸船・船間通信で大いに発達普及している。
2・13・20 コースレコーダ
コースレコーダはペンレコーダの一種で、マスタコンパスから伝達された方位信号により時々刻々の船の針路を記録紙の上に記録するものである。
2・13・21 航跡自画器
航跡自画器は航行する船の時々刻々の速度信号と方位信号又は船位信号を受けて、航跡を自動的連続的に記録紙上に記録するものである。
2・13・22 回頭角速度計
ターンレートインジケータとも称するもので、操船の際に船の回頭運動を把握し易くするために、使用される計器で、主として巨大船で使用される。マスターコンパスからの船首方位同期信号を処理して、船首方位の変化速度に比例した信号に変換し、指示器に回頭角速度として表示する。代表的な形式の指示器の例では、1分当り3°の刻みで1分当り60°(1°/秒)の回頭角速度まで目盛表示されている。
2・14 無線通信装置
船舶の無線通信機器は、船舶の運航機能を拡大し、乗組員の生命と船の安全を確保しつつ航行運輸作業を高能率化し、また漁獲生産性を向上させるためのものであり、無線通信の内容は、遭難、安全、緊急、警報、航行、気象、潮流、海温、測位、時報、新聞、集荷情報、船舶相互交信、漁業や魚市場の情報、更に気象庁との情報交換などが行われる。
その通信方式は、特殊技能を必要とするモールス式無線電信から自動化通信に変わりつつある。
特に海上における捜索及び救助に関する通信システムは、手動操作に依存している「SOS通信」から、近代通信技術を駆使し、船舶、陸上を含め自動化された「全世界的な海上における遭難安全システム(GMDSS)」に、1992年2月1日より船舶の建造日に合わせ段階的に導入され、1999年2月1日から、平水区域等を航行する一部の船舶を除き、完全にこの通信システムに移行した。