この現象は誘導性負荷のインダクタンスに蓄えられエネルギーを電源側に戻すように作用し、負荷による無効電力の発生と見なされ何等かの処理手段が必要となる。下記に無効電力の処理法について説明する。
図2.114は、電圧形インバータの基本回路図で、説明の簡略のための単相交流出力とし、変換素子をS1…S4とし、点弧動作をスイッチ記号で示す。S1S4S3S2の順次点弧により図2.116のeeの実線で示すような方形波の交流出力電圧が現れる。その基本正弦波は波線の曲線で示すとおりである。
電動機の負荷電流ieは方形波電圧の影響で基本波電流成分より幾分歪んだ形で、かつ、電圧の基本波成分より若干遅れた位相の電流で、誘導性負荷の力率関係に相当したものとなる。
処で直流電源から流れる電流は図2.116のis曲線で示されるような形で正弦波曲線でなく一部に電流が遮断された形状をなしている。1]の期間では電圧の位相に対し電流の位相が逆なので回生作用があることを意味し、2]の期間では電圧、電流の位相が同方向のため力行状態にあることを意味している。