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結線及び部品構成は最も簡単であるが、調整は電圧計、電流計を見ながら手動でトランスのタップ切り替えにより行われる。

本結線方式は充放電交互切替式の蓄電池の充電用に採用されることが多い。

 

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図2.104 電圧タップ手動切替式による充電装置の結線図

 

(b) シリコンドロッパによる電圧調整

本方式は前(a)項の手動電圧調整の回路にシリコンドロッパと電圧リレーを付加して、浮動充電(負荷と蓄電池に接続したまま充電する方法)が行えるようにしたもので、陽極と陰極間に約2ボルトの一定電圧降下を生じるシリコンドロッパ(特殊性能のシリコンダイオードの一種)を数個必要に応じ組み込み、充電の経過と共に蓄電池の端子電圧が上昇すると電圧リレーが動作し、シリコンドロッパを順次挿入して負荷側の電圧を一定範囲内に保つことができる。蓄電池が放電の場合は、シリコンドロッパは全部短絡されて蓄電池電圧そのままが負荷に加えられる。この方式は充電は手動調整、負荷電圧は自動調整による、いわゆる半自動の方式で、負荷電圧の調整が段階的であるほかに、負荷電流が大きい場合はシリコンドロッパによる電力損失も大きくなるので、比較的小容量で、限られた用途の蓄電池用に向いており、例えば、火災探知器、火災警報等の専用蓄電池に使用されることがある。

 

 

 

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