2・3・5 インピーダンス電圧
変圧器に定格電流を流すときの一次及び二次巻線中のインピーダンスによる電圧降下(変圧器内部の電圧降下)をインピーダンス電圧という。実際に測定するには変圧器の二次側を短絡して、一次側に定格電流を流したとき、一次端子間における電圧をインピーダンス電圧といい、定格一次電圧の百分率(%)で表わし百分率(%)インピーダンスと呼ばれる。
変圧器のインピーダンスの値は変圧器の経済的な設計、電圧変動率及び短絡電流を考慮して決められ百分率インピーダンスは変圧器の電圧変動や二次短絡電流を計算する場合に使用される。
変圧器の電圧変動や二次短絡電流を計算する場合、一般に次式で示される百分率インピーダンス又はパーセントインピーダンスと呼ばれる数値が使用される。
2・3・6 定格及び特性
(1) 定格出力
変圧器の最大出力は他の電気機器と同様に温度上昇により制限される。温度上昇の原因となる変圧器の損失は鉄損と銅損で鉄損は電圧により定まり銅損は電流によって定まる。したがって、温度上昇は電圧と電流の相乗積である皮相電力によって定まる。
定格出力は定格二次電圧、定格二次電流、定格周波数及び定格力率で二次端子間に得られる皮相電力をいい、これを普通kVAで表す。
(2) 電圧変動率
無負荷と全負荷との二次端子電圧の変動をいい現わすもので、この値の大小は電球の寿命、電動機の最大出力等に影響を及ぼす。この定義は二次端子が定格周波数、定格電圧にて定格出力を出すよう一次端子電圧を決定し、これを不変に保ちつつ無負荷としたときの二次電圧の変動を定格電圧の百分率で表わしたもので、特に指定のない場合は負荷の力率は100%とする。