4・10・8 レーダー・トランスポンダー(SART)
船舶又は航空機に装置されている9ギガヘルツ帯のレーダー電波に応答して同じ9ギガヘルツ帯の電波をレーダー・トランスポンダーから発信し、それを船舶又は航空機のレーダー映像面に発信位置を一列の輝点で表示させるホーミング装置である。船舶からのレーダー・トランスポンダーの探知距離はSARTの海面上の高さ及びレーダーの空中線の高さにもよるが、約10海里、捜索用航空機のレーダーを対象とした場合は約30海里といわれている。
4・10・9 双方向無線電話装置
船舶が遭難した場合、遭難船舶と生存艇間、生存艇相互間、生存艇と救助船間で遭難現場通信を行う小形の無線電話である。
常時は、操舵室などに格納しておいて非常の際に持ち出して使用する持運び式とあらかじめ生存艇に固定装備するものとがある。
4・11 防爆機器
爆発又は引火しやすい物質が蓄積し又は貯蔵される場所には電気機器は原則として設置してはならない。
やむを得ず設置する場合には、防爆型機器であって、しかも公的の機関で承認されたものでなければならない。これに適合するためには、JISF8009-98(船用防爆機器一般通則)、並びにJISF0930-93(電気機器の防爆構造総則)を参照して製作されたものでなければならない。
防爆構造には、耐圧防爆構造、内圧防爆構造、安全増防爆構造及び本質安全防爆構造のもの等があって、使用場所・使用目的に応じて、適切に選ばねばならない。また、場合により、二重防爆構造のもの、例えば、耐圧防爆構造と安全増防爆構造を併合したものなどがある。
4・12 船用電線
船内の電気設備に使用する、ケーブル、コード及び絶縁電線は、「船用電線JISC341−1999」(平成11年3月25日改正)に詳細が記載されているので、この規格を参照のこと。従来の規格から国際規格であるIEC規格(国際電気標準会議)の見直しに連動し、ほぼ全面的に改正となっている。主な改正点は、1]ケーブルの難燃性にかかわる規定が、「耐炎性及び耐延焼性」の2種類に規格化されて、特に、耐延焼性は、ケーブル記号の前に[FA-]が付記されている。2]電線の公称面積の呼称はIECサイズを導入した。3]公称電圧はIEC規格に合わせ、「0.6(交流対地電圧)/1(交流線間電圧)kV」となり、ケーブル記号の前に付記される。多心線と電話用線は従来と同じである。なお、しばらくの期間、新旧のJIS船用電線2種類が混在すると予測される。
以下簡単に要点のみを述べる。