日本財団 図書館


(b) サイクロンコンバータ

正弦波電流形無整流子電動機のことをいうが、広義には矩形波電流交流式無整流子電動機も含まれる。いずれも、固定周波数の交流電源から直流中間回路を介さずに直接異なった周波数の交流に変換する方式であるが、特に正弦波電流形の場合は、変換効率が高くまた出力周波数を0から連続的に調整することが出来るため、矩形波電流形と比較し低速機に適している。

正弦波電流形と矩形波電流形の主回路構成をそれぞれ図3・14、図3・15に示すが、図3・14における転流は次のように行われる。

図3・14でB側整流器の点弧パルスをオフとし、A側整流器の各サイリスタ素子に決められた順序に点弧パルスを与えると、負荷の両端には整流波形が現れ、次にA側整流器の点弧パルスをオフとし、B側整流器に同様に点弧パルスを与えると、負荷の両端に逆極性の電圧が現れる。このように各整流器に交互に点弧パルスを与え、繰り返し周期を調整することにより、正弦波の可変電圧を得ることができる。

 

035-1.gif

図3・14 正弦波電流形無整流子電動機の主回路構成(単相分)

 

035-2.gif

図3・15 矩形波電流形交流式無整流子電動機の主回路構成

 

(3) 利害得失

電気推進方式は在来方式(ディーゼル直結を想定)に比べ高率で劣るものの、優れた操縦性、定速域での高トルク、低振動・低騒音等の長所を生かして砕氷船、客船、各種調査船・観測船、ケーブル敷設船、シャトルタンカー等で、これまでに主に採用されてきた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION