帰りの飛行機まで時間があったので、美術館巡りを行った。レイナ・ソフィア芸術センターで有名なピカソの「ゲルニカ」、プラド美術館で有名なゴヤの絵画を見ることができ、非常に感動した。ゆっくりスペインの町を歩いてみたかったが、時間の都合で出来なかったが、気温は日本と同じくらいで(約20度)、会議中は天候にも恵まれ、快適に過ごせた(マドリッドの緯度は青森とほぼ同じ)。
3. CIMAC重油ワーキンググループ会議
この会議はエンジンビルダーやオイルカンパニー(14ヶ国)で構成され、ISOにも関係するスタンダード等の刊行物(レコメンデーション)を作成している。年に2回、CIMACの幹事会社の持ち回りで欧州を中心に開催される。今回は、CEPSA(Compania Espanola de Petroleos、S.A.)が幹事会社で9月26日(火)に、スペイン、マドリッドのAENOR(Asociacion Espanola de Normalization Certification)で開催された。議長はKjeld Aabo氏で、約25名の参加者の中、朝9時から夕方の5時まで白熱した討論がなされた(写真2、3)、
議長の挨拶の後、前回議事録の承認がなされ、本題へと入っていった。
(1) 重油への廃油混入問題について
舶用燃料への廃油混入を防ぐために、その検出物質と上限値について検討がなされ、次の文章が合意された。
燃料油は、廃油を含有してはならない。燃料油が亜鉛 > 15mg/kg、リン > 15mg/kg、カルシウム > 30mg/kgを全て同時に満足した場合には、廃油が混入していることを考えねばならない。
(The fuel shall be free of Used Lubricating Oil. The fuel shall be deemed to contain Used Lubricating Oil when simultaneously Zinc > 15mg/kg AND Phosphorus > 15mg/kg AND Calciu m> 30mg/kg.)
(2) エンジン入り口燃料性状について
エンジン入り口燃料性状について現在までの進捗状況の説明がなされた。
(3) CIMAC規格の改訂
硫黄分の上限値が4.5%(特別保護地域用の低硫黄燃料は1.5%)、水分が1%から0.5%に、灰分が0.2%から0.15%に引き下げられる。その他、レコメンデーションの書きぶりについて一部訂正がなされた。
(4) 前処理装置リコメンデーションの改訂について
前処理装置リコメンデーションについて現在までの進捗状況の説明がなされた。
(5) ISMEについて
ISME TOKY0 2000の資料を配布し、参加を要請した。
(6) 次回会議
次回は4月5日ハンブルク(ドイツ)で開催予定である。
4. あとがき
今回初めてCIMACのワーキンググループ会議に参加したが、10月のISME TOKYO 2000の際にも来日したCIMACの方々と本学会の燃料潤滑研究委員会のメンバーでジョイントミーティングを開催し、親睦を深めた。CIMACと本学会はこういった関係があり、これからも継続してワーキンググループ会議に参加していくことが重要だと感じた。
最後に、この様な貴重な体験のできる機会を作っていただいた方々に深くお礼申し上げます。