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火災

適マーク対象物であわや大惨事

栗原地域広域行政事務組合消防本部(宮城)

 

はじめに

当消防本部は、宮城県の北部に位置し、北部から北西部にかけては、岩手県及び秋田県に隣接しており、政令指定都市「仙台市」から消防本部が所在する築館町までは約六五kmのところにある。

管内は宮城、岩手、秋田の三県にまたがり、国定公園に指定されている秀峰栗駒山の麓で、豊かな自然に囲まれた純農村地帯である。

当消防本部体制は、一本部一署三分署三分遣所で、職員数一三五人、管轄面積八〇六・三九km2、人口八六、七九八人である。

ここで紹介する事例は、ぼや火災ではあるが、適マーク交付対象物内で某劇団のミュージカルの公演中で、立見席ができる程多数の人が観覧する中での出来事であった。

演出効果を高めるためにフラッシュバルブを発光させたところ、フラッシュバルブの熱により、出火した特異な火災である。

 

一、火災の概要

(一) 出火日時 平成一二年三月二九日 二〇時一五分頃

(二) 出火場所 宮城県栗原郡若柳町字川北古川八三番地

(三) 覚知時間 平成一二年三月二九日 二〇時一八分

(四) 鎮火時間 平成一二年三月二九日 二〇時三〇分

(五) 気象状況

天候 曇り

気温 九・三℃

風速 四・三m/s

風向 西

湿度八〇・一%

(六) 焼損程度 ぼや(大道具、背景幕、暗幕焼損)

(七) 出火原因 フラッシュバルブの発光熱

(八) 出動車両及び人員(事後聞知)

消防署 二台 七名

消防団 一台 五名

(九) 消防水利の状況(半径一四〇m以内)

公設消火栓 五基

防火水槽 一基

 

二、出火建物の概要

出火建物となった総合文化センターは平成六年に建築された耐火構造二階建延面積三、七一七・四七m2で、収容人員一、五九五人の防火基準適合表示マーク交付対象物である。

本年も各基準を充たしていると認められたことから、平成一二年三月一日防火基準適合表示要綱に基づき表示マークを交付している。

 

三、罹災概要

当日、総合文化センターでは全国的に有名な某劇団のファミリーミュージカルが、午後六時三〇分から立見席ができる程の盛況の中で開演された。

公演もタイムスケジュールどおり進行し、いよいよクライマックスを迎えんとするばかりとなったところで、舞台では落雷シーンの演出効果を更に高めるため、フラッシュバルブを使用した。

発光直後に、舞台中央にある大木の木の葉の舞台道具から炎が立ち上がってきた。

 

 

 

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