“火の用心にも気を使う平成の肝っ玉母さん”
「平成の肝っ玉母さんを目指します」。清水由貴子さんが、フジテレビ系昼の連続ドラマ「幸福の明日」(月〜金曜後一・三〇)で、強く、たくましい母親を演じている。「幸福の明日」は、医療ミスから起こった赤ちゃん取り違え事件をテーマに、親子、家族の愛と絆を描いていく。
かな子は夫の信彦(並樹史朗)、小学校四年の息子らとしあわせな生活を送っていた。ところがある日、生まれた時の病院で息子が取り違えられていることが分かった。その相手の松田家は夫が家出し、母親のユキ(若林しほ)は子育ての責任をなかば放棄したような状態だった。両家は子供の交換について話し合いを始めるが―。
清水さんがかな子に取り組んでいる。
「大切に育ててきた息子が取り替えられてしまうなんて悲しいでしょうね。見て下さる主婦の方に親近感を持ってもらえるよう、リアルに限りなく普通の主婦を心がけて演じています。怒る時には怒り、笑う時は心の底から笑い、ふんばっていい家庭を築きたいですね」
清水さんは、東京の駒形生まれ。高校二年まで浅草で生活した。幼いころ父を亡くし、母の手ひとつで育てられた。苦しい暮らしだった。昭和五一年三月、「スター誕生!」(日本テレビ系)で第一六回グランドチャンピオンになった。そして、「お元気ですか」で歌手デビュー。その後、ヒットがなく鳴かず飛ばず。「消防官物語・風に立て」(TBS系)などドラマに出演。昭和五七年、「週刊欽曜日」(TBS系)でとぼけた明るさが受け再浮上した。最近はCMなどで明るいお母さんを演じている。
「このところドラマでもCMでも明るいお母さん役ばかり。今度のような様々な難しい問題を抱えた母親役は初めて。強く、たくましくやっていきます」。チャキチャキの江戸っ子。気っ風がよくて威勢がいい。周囲への気配りも抜ぐん。「消防官物語」に出ていただけに火の用心にも気をつかう。「幸福の明日」でどんな肝っ玉ぶりを見せてくれるか楽しみ。
(インタビュー:編集部)