“救急車のサイレンに反応”
一五歳の少年による一家六人殺傷事件、ストーカー殺人…。少年たちの理解し難い殺人事件も相次いで起きている。最近、そんな痛ましい事件に、ごく普通に生活している人が巻き込まれることが多くなった。TBSテレビ系日曜劇場「催眠」も、催眠暗示によるものと思われる不可解な連続殺人事件を軸としたホラードラマ。
羽田美智子さんはこのドラマで、大学の付属病院に勤務する精神科医朝比奈宏美を演じている。事件に大きく関わることになる催眠セラピスト嵯峨(稲垣吾郎)は、かつての同僚である。患者の中に、事件の容疑者となる記憶障害の由夏(瀬戸朝香)がいる。
羽田さんは今年春のドラマ「サラリーマン金太郎2」(TBS系)に出演した。日曜劇場は連続出演である。「“金太郎”の時は、金ちゃんについて歩いていく従う女でした。でも今回の宏美は人は人、私は私というテキパキとしたキャラクター。全く対照的な役柄です」。前回の役柄を今回のキャラクターに短期間のうちに切り替えるのが大変だった。
「金太郎の時に着た洋服は仕事に行くときは着ないなど、まず外見を変え、たばこを始めました。そうすると歩き方もこれまでと違うようになり性格も変わり、ガンコになりました」。そして空手の道場に通いだした。「体がよく動くようになり、体全体がパワフルでシャープになっていく感じです」
羽田さんは、化粧品のCMで売り出し、平成三年、「クリスマスイブ」(TBS)でドラマデビュー。テレビでは清楚で可憐な役柄が多かった。「小市民ケーン」(フジ)で初めて悪女を演じた。悪女といっても茶目っ気たっぷりのコミカルなものだった。
映画は「就職戦線異常なし」「RAMPO」「フラワーズ・オブ・シャンハィ」など。今回の「催眠」では初めてクールな役に挑戦している。付属病院の精神科医のほか、救急救命センターにも出向し、救急活動も行っている。このところ、救急車のサイレンを聞くと体が反応する毎日である。 (インタビュー:編集部)